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ベラルーシの今。

ベラルーシの部屋ブログを書いてらっしゃる、Tさん。
1995年からベラルーシにお住まいで、現在チロ基金の責任者として
活動されています。
「チロ募金」というのは、チェルノブイリの事故後、
ベラルーシの子どもたちにビタペクト2という高ペクチン剤と、
「チェルノブイリ:放射能と栄養」という冊子のコピーの配布など
放射能に対する様々な取り組みを行っていらっしゃる基金だそう。
Tさんの書いてらっしゃるブログを拝見したとき、
まさに今、福島や関東の人たちが知りたい情報ばかりだと感激しました。
先日こちらでもご紹介した、emi_nakaeさんが書いてくださった
「自分と子どもを放射能から守るには」のイラストの原文を
紹介してくださっている方です。
ミンスク市内の日本文化情報センターにいらっしゃるそうです。


ベラルーシの今。_f0177295_13232812.gif



そのTさんに「ありがとうふくしまプロジェクト」の冊子にぜひ
ベラルーシの知恵を書かせて頂きたい。
そして福島の生産者さんたちに、少しでも役に立つ情報を頂きたいとお願いしたところ、
快くお返事をくださいました。


いただいたメールの結びの一言が、とても温かくてほっとしました。

福島の原発は福島に住んでいる人だけのものではないですよ・・・。
チェルノブイリの経験は実は失敗談のほうが多くて、
あまり役に立たないような部分も多いですが・・・。反面教師にしてください。


また、ご自身のブログでこのブログのことをご紹介くださいました。
Tさん、ありがとうございます!


Q1.チェルノブイリ事故の後、そちらの生産者さんたちはどんな状況だったのか。 

A.事故直後の前日、原発がある町の住民は強制的に避難させられました。
しかしそれは原発職員のための町で、生産者さんというような人はとても少なかったのです。
1週間ぐらいしてから周辺地域も順次避難させられました。
そのとき家畜も全ていっしょに避難しました。
 チェルノブイリの事故が起きたときはソ連政府で、農場も酪農も全て国営でしたから、
強制的な移住はやりやすかったのです。個人所有の土地や、家畜といった財産、
それにともなう権利や所有者の主張、というのがありませんでした。
全て国のものだったからです。
多くの人は移住先のコルホーズなどに組み込まれました。
都会に移住させられた人の中で農業をしていた人は転職を余儀なくされました。
中には仕事が見つからず、生活が困窮する家庭もありました。

Q2.土壌汚染についてはどのくらいだったのか。

A.1平方メートルあたり555.000ベクレル
(1平方キロあたり15キュリー)以上のセシウムが検出された地域あるいは
年間7ミリシーベルト以上の土地は、農工業生産が禁止されました。
ウクライナに入る地域を合わせて、1万3130平方キロの面積に当たります。
 1平方メートルあたり185.000ベクレル(1平方キロあたり5キュリー)以上の
セシウムが検出された地域あるいは年間2.4ミリシーベルト以上の土地は、
農工業企業の新設が禁止されました。こちらは1万9000平方キロの面積になります。

◎日本の基準はこんなに高い…。年間20ミリシーベルト以内なら問題なし。
5000ベクレル/kg以下の土壌ならば、米の作付が制限されていない。
これでいいのか、疑問が残ります。



Q3.農地で使用する水はどうしていたのか。

A.上記以下の放射能量の地域では現在も普通に農業、酪農が行われています。
水は井戸水、川や湖などの水、水道水(地下水)を使っていましたし、今もそうです。
特別な濾過などの対策はしていません。


Q4. 牛たちは、汚染された牧草を食べていたのか。

A.もちろん食べていましたし、今も食べています。
さらに牛の体の中で放射能が濃縮されてしまいます。
そのために牛乳が高濃度で汚染され、それを飲んだ人が体内被爆しましたし、
今も被爆しています。


Q5.では、どうしたら安全な野菜が作れるのか。 何を作ればよいのか。
どうしたら土壌改良できるのか。


A.土壌改良のため、カリ肥料やカルシウム肥料、有機肥料を
多くすきこむことが勧められています。
ベラルーシ政府は食品の測定はしており、暫定基準値を超える野菜などは
販売を禁止しています。
残念ながら汚染された土地が広大なうえ、もともと農業国だったので、
突然農業の生産をやめる、というわけにもいかず、少々危ない地域でも、
農業が盛んです。
しかしベラルーシ政府は国家予算の状態が厳しいので、チェルノブイリ原発事故の
影響はもうほとんどない、と終息宣言のようなものを出しています。
当然、安全な野菜を作ろうといった試みは国の主導ではほとんどされていません。
畜産、酪農に関しては、チェルノブイリ25年目の直前に国営テレビが、
牛を非汚染地域へ連れて行って、そこで2週間きれいな牧草を食べたところ、
牛の放射能が抜けたので、その牛の牛乳や肉を食べても安全だ、と放映していました。
しかし多くの視聴者は冷ややかでした。
私も2週間ていどでは放射能は排出されないと思います。 


Q6. 何に気を付けて生産したらよいのか、生産者の方へベルラーシの知恵を教えて欲しい。

A.ベラルーシはこのような状態です。ベラルーシ人生産者さんからのアドバイスは
ないようなものです。
それはベラルーシの生産の現場がソ連時代と変わらない国営で、管理されており、
みんな公務員のようなものだからです。
国が命令したとおりに実行しないといけませんし、しなくていいと言われたことはしません。

生産者固有の土地も、家畜もありません。個人的な所有権利もありませんし、
生産方法の自由もありません。
そういう意味では日本のほうが、知恵を出し合ったり、情報交換したり、
独自の方法を試してみたり、と可能性があります。
日本人の皆様はどうかその可能性を最大限に生かしてください。

ベラルーシの経験はあまりお役に立てません。
こちらでは放射能を口に入れないように、庶民を啓蒙するのが精一杯です。


Q7.こどもたちの内部被ばくを避けるには、どうすればよいか。

A.子どもの内部被爆を減らすには、食品に気をつけるしかありません。
まず検査。非常に危険な場合は、食べない。やや危険なばあいは、
弊ブログでご紹介した調理方法を試してみてください。


Q8.最後にひとこと、メッセージをお願いします。

ベラルーシより逆に日本のほうが自由があります。
下手に「国主導でやってほしい。」「政府が示してほしい。」と待つのではなく、
福島の人が立ち上がって、率先して行動を起こしてほしいです。
日本ならできます。ベラルーシではできません。
独裁国家ですから、国ににらまれるだけです。
日本には大きな可能性があります。絶対に放射能に負けないでください。
可能性を生かしてください。お願いいたします。
周囲の皆様にもそのようにお伝えください。
ベラルーシよりご健勝とご健闘をお祈りしております。



「ありがとうふくしまプロジェクト」。
子どもたちのおいしいの笑顔と、「いつもおいしいごはんをありがとう」
そんなお手紙・メッセージを、
農家さん、酪農家さん、漁師さんへお届けするプロジェクトです。
ヨークベニマル(郡山:希望ヶ丘店、安積町店 福島:福島西店 
会津:門田店 いわき:エブリア店 県南:白河高山店)にて6月末まで展示。

詳細はこちら→
ありふく専用アドレスはコチラhttp://ameblo.jp/mikttymama2/


編集作業がMAXになってまいりましたので、
少しだけブログでの情報発信をお休みしたいと思います。
ゆるゆる更新ですが、しばしお付き合いくださいませ^^


ふくしまのいまを知ってもらうために。
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by mikttymama | 2011-06-23 11:40

杜の都仙台+福島の小さなお料理教室CookingStudio I-e(イーエ)のうちごはん。


by ミキティママ